茶会に参加してみる

お茶を習っていない方にとって、茶会は縁遠いもののように感じるかもしれません。しかし、格式の高い茶事ではなくて、大寄せ茶会などのお茶を習っていない方でも気軽に参加することができる茶会があります。茶会に参加するのにどんな準備が必要で、当日はどのような流れで進むのかを知っておけば、初めての方でも安心して参加することができます。茶会での動き方や、菓子や茶のいただき方の基本を頭に入れておけば、拙くても周りの客がフォローしてくれますから、難しく考える必要はありません。茶会に参加されたことのない方は一度、気軽に行ける茶会を見つけて参加してみてはいかがでしょうか。

茶会に参加するときは、その茶会の内容にあった和服か洋服を選んで着ていきます。懐紙と楊枝、扇子に袱紗とそれらを入れる袱紗挟みなど、茶に使う道具は専門的なものが多いので、事前に揃えておきましょう。初めての方には馴染みがないかもしれませんが、席主へのお祝いを用意しておくのも忘れてはいけません。茶会は風流を重んじ、礼儀や思いやりを大切にする場所ですから、参加する人はそういう気配りを忘れないようにして楽しみましょう。

当日は受付で荷物を預けて寄り付きで待つと、いよいよ茶席へと席入りします。茶席では席入から退出まで、一つ一つの動き方、菓子や茶のいただき方などの作法が決まっているので、できれば事前に覚えておいて、前の客に習っても良いので作法を大事に出来ると良いです。もし知り合いに誘われて参加した場合などは、茶会が終わったあと、その人に後礼を述べるのも忘れてはいけません。茶会に参加する方は、礼儀や思いやりの精神も含めて、茶会を気軽に楽しむのがいいでしょう。

茶会の歴史

皆さんは、茶会にどのようなイメージをお持ちになっているでしょうか?女性が礼儀作法を嗜む場所、あるいはお家柄のいい人達がお茶を楽しむ場所。イメージとしてはそのようなところでしょうか。茶会が縁遠いものになってしまった現代では、茶会にそのようなイメージを持ってしまうのは仕方のないことだと思います。しかし、歴史を省みてみると、本来の茶会というものが、そうしたイメージとは少し違ったものであることがわかります。

茶の歴史は、古くは平安時代まで遡ることが出来ますが、現在、茶道と呼ばれているものは、千利休により安土桃山時代に完成させられました。それまでの茶会というのは大名などの上流階級だけが嗜むものであり、しかも、今のように厳かなものではありませんでした。各々に自慢の唐物茶器を見せびらかし、利き茶をしながら競い合う、いわゆる博打的なものだったのです。

しかし、そんな茶会に物申した人がいました。その人は村田珠光という茶人で、茶会は“わびの精神”を大事にするべきだと説きました。わびの精神とは即ち、物事の奥ゆかしさを大切にする心のこと。茶会は、このわびの精神を大事にしながら、もてなす側ともてなされる側の心の交流を図るものであるとしたのです。

この考え方は利休の師匠である武野紹鴎を経て、やがて千利休に引き継がれます。千利休は晩年、村田珠光らの茶を昇華させ、現在の茶道につながる「わび茶」を完成させました。千利休が完成させたわび茶は、禅の精神にも繋がっていることから、武士たちの間に瞬く間に広がっていきました。そしていつしか、茶は大名の娯楽から、武人の嗜みになったのです。

利休の死後、利休の子孫たちによって茶の道は広められていきます。後に三千家と呼ばれる「表千家」「裏千家」「武者小路千家」の3つの家元も、ここから生まれました。やがて江戸時代になると、茶は武士だけではなく、一般大衆にも広く親しまれるようになりました。そして時間は過ぎ、明治になってから、初めて女性の教養として茶が取り入れられるようになったのです。

こうした歴史を省みてみると、茶会が女性の嗜みでもなければ、上流階級の嗜みでもないことがわかります。茶会の基本は“心の交流”です。そこには貴賎も関係なければ、性別も関係ありません。なんせ、茶の道を説いた千利休自身が、町人出身の男性だったのですから、皆さんも壁を感じずに、もっと積極的に茶会に参加してみても良いのです。